鐘馗嫁妹 -鐘馗について-2012-11-19 15:52

京劇の鐘馗(張春祥)

端午の節句に飾られる神様「鐘馗(しょうき)」は

魔よけと学業成就の神様でありますが、

元々はただの人間でした。

 

彼は武挙(国家試験)を受けに向かう途中、

間違えて鬼の棲みかに迷い込んでしまい、

醜い姿に変えられてしまいました。

彼は試験では優秀な成績を挙げたにもかかわらず

その醜い容貌が原因で合格できなかったので

無念のあまり自殺してしまったのです。

 

道教の最高神「天帝」は彼の死を憐れみ

彼に鬼や悪霊から人間を守る役目を授けました。

こうして、魔よけの神様「鐘馗」が誕生したのです。

 

…という、悲しげなバックグラウンドを抱えつつ、

京劇では、存在感のある隈取りと長いひげを持ち

鬼達を引き連れて登場します。

しかし、その背景や迫力とは裏腹に何かコミカルな動きは

見ていてちょっと微笑ましくなってしまいます^^

 

先ほど「鬼や悪霊から人間を守る役目」と書いておきながら

「鐘馗」が鬼達を手下のように引き連れて登場するのは、

もしかしたら違和感があるかもしれません。

それは「鐘馗」が常に携えている剣に秘密があります。

彼の持つ剣は「破魔の剣」で、これで切られると

鬼達はひとたまりもありません。

…というわけで、鬼達は(たぶん)しぶしぶながら

悪さもせず、おとなしく彼につき従っています。

もし、剣を忘れて舞台に登場したら

すぐ鬼達に襲われて終幕になってしまうかもしれませんね。

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